研究紹介

社会における情報を扱う研究では、新しいメディアの登場により、どのようにコミュニケーションが変化し、それが社会、経済、法・制度、人々の生活(社会心理)にどのように影響を与えるのか、メディアによる情報の流れについて利点を最大化し、問題点を解決していくにはどのようにすればよいかについて検討がなされてきました。しかし、これらの研究では具体的な場面において個人がどのように情報を獲得し、活用するかについて検討されることは多くありませんでした。

 われわれは、専門家社会における認識のずれに関する情報を社会のコミュニケーションの中に含めることにより、さらに専門家社会におけるコミュニケーションを継続的につくりだしていくこと、そのことを「コミュニケーションデザイン」と呼んでいます。一般には「コミュニケーションデザイン」は、伝達の最適化を意味する用語として使われます。しかし、それは単純化された「コミュニケーション」の概念に基づくものであり、「コミュニケーション」に対する認識を浅いものとし、社会におけるコミュニケーションを貧弱なものにします。コミュニケーションの基礎理論に基づき、医療、法、行政、芸術、障害に関する専門家社会の問題について、専門家と非専門家との認識のずれを明らかにすることにより継続的に豊かなコミュニケーションが生起する環境を構築すること、それを目標として研究を進めます。