われわれの研究室では、どのようにして人びとが「つながり」をつくるかについて研究をすすめています。メディアは「つながり」をつくるものであり、マスメディアの登場以来、肯定的にも否定的にもさまざまな議論がなされてきました。現代のインターネットに関しても人びとが容易につながることにより創造的な試みが可能になっているとされる一方、「つながる」人びとがそれ以外の人びとを排除・非難することの問題点が指摘されています。

研究室では、この「つながり」を考えるためにまず明らかに「つながり」をつくるのが難しい専門家と非専門家に着目しました。具体的には、専門家が専門分野の知識をどのように非専門家と共有すればよいか、非専門家が専門家の状況、知識をどのように理解すればよいか、専門家と非専門家との持続的なコミュニケーションを支えるためには何が必要かについて実証的に議論を深めています。

研究については、医療、法における専門家と非専門家間の問題から、さらに広く「つながり」を考える中で、学生とともに、介護、行政、科学技術、SNS、異文化コミュニケーションについても対象としてきました。研究室ではそれぞれの学生が積み重ねてきた経験を尊重してテーマを決めているので、一見ばらばらなものに見えますが、根底には人びとの「つながり」を考える問題意識があります。

研究室の学生には、「知の生産者」になってもらうことを期待しています。それは、知を学びながらもその前提を疑い、新たな知を生み出す者のことを指します。そのために、さまざまな理論・概念を学び、現場の人びとの声を聞き、分析を行い、考察するといった過程を繰り返します。「知の生産者」となるみなさんと一緒に、おもしろく、そして、ふかく研究をすすめられるのを楽しみにしています。

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